ペルソナとは?意味や重要性、作り方や活用事例をわかりやすくご紹介

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ブランディングやマーケティング、商品開発など、事業戦略に関わる方なら一度は聞いたことがあるであろう”ペルソナ”。

一方、実際にペルソナを作って活用しようとしても、何から着手すればよいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、ペルソナについて詳しく解説していきます。

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<プロフィール>

RyS ("リス"と読みます)

〇ブランドマネージャー1級資格取得
〇一般財団法人ブランドマネージャー認定協会公式アンバサダー
〇toB,toC問わず、中小企業を中心にブランディング支援活動中
目次

ペルソナとは?

ペルソナとは、ターゲットとなる顧客の特徴や行動パターン、ニーズなどを具体的にイメージ化したものです。

もう少し具体的にいうと、「名前」「性別」「性格」「住まい」「家庭環境」「収入」「購買基準」といった属性情報を具体化した顧客イメージ、それがペルソナです。

下記のようなものがその一例です。

ペルソナ例
ペルソナ例

ペルソナは、基本的には架空の人物を作りあげますが、実在の人物を模倣して作る事例もあります。

いずれにしても、本当にそういう人が実在するかのような情報を持たせる必要があります。

ペルソナの重要性

どうしてペルソナの存在が必要なの?

ということで、ペルソナの重要性についてご紹介します。

ターゲット市場(顧客)の理解が深まる

ペルソナを作成することで、自社のターゲット市場(顧客)はなにを考えているのかをより具体化することができます。

例えば、3C分析などで調査した市場ニーズをただ把握しただけでは、ターゲットがどのような生活環境からそのニーズが発生しているのかがイメージしづらく、ニーズ理解が表面的なものになってしまいます。

ペルソナを作成して生活環境を見える化しておくことで、顧客ニーズの前後性の理解を深めることができます。

効果的なコミュニケーション戦略が構築できる

顧客とのコミュニケーションで、どのようなメッセージやトーンにすれば効果的かを考える際にも役立ちます。

ひと昔前まではマスメディアでの情報発信が主流でしたが、インターネットやSNSが普及したいま、顧客ごとにコミュニケーションを変えることが可能になりました。

RyS

One to Oneマーケティング、なんて言葉もうまれましたね。

ペルソナを作成し、コミュニケーションを顧客ごとにアレンジすることで、反応を最大化することができます。

販売戦略を最適化できる

コミュニケーション戦略には広告の訴求や表現が含まれますが、そもそもの広告媒体などの選定にもペルソナは役立ちます。

世代や性別、地域、生活環境の違いによって、日ごろ触れ合っている情報源は大きく変わります。

ペルソナを中心に、近しい属性情報を持つ顧客が多く集まる媒体に広告を配信することで、効率的な集客につなげることができます。

商品(サービス)の開発や改善につながる

ペルソナを作成し、どのような場所やタイミングで商品(サービス)を利用するのかを理解することで、その利用体験過程の利点や不満などを発見しやすくなります。

その結果、新しい商品(サービス)の開発や品質改善が可能になります。

競合との競争力を高められる

競合他社との差別化を考えるうえでも有効です。

ブランディングのステップでは、ペルソナを作成したのちにポジショニングマップを作成するのですが、ポジショニングマップはペルソナ目線で縦軸横軸を考えます。

ペルソナにとって、競合と自社はどのように違って見えるのかをはっきりさせられるため、競争力の向上につながります。

ペルソナの作り方

ペルソナの作り方には様々な”流派”があるかと思いますが、ここではブランドマネージャー認定協会が提唱する、ブランディングのステップに沿った作り方をご紹介します。

STEP
①STP分析(セグメンテーションとターゲティング)を完成させる

市場を細分化(セグメンテーション)し、どの顧客属性を狙うか(ターゲティング)を決定します。

完成イメージは、下記のようになります。

STP分析|ターゲティング(基本セグメント)
STP分析|ターゲティング(基本セグメント)
STP分析|ターゲティング(固有セグメント)
STP分析|ターゲティング(固有セグメント)

STP分析の詳細については、下記記事をご覧ください。

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STEP
②ターゲティングした内容を矛盾なく組み合わせる

セグメンテーションとターゲティングが完了したら、それらを矛盾なく組み合わせていきます。

このとき、セグメンテーションやターゲティングで選んでない要素が突然登場していないか、実際にそんな人が存在していそうかなど、俯瞰してみるようにしましょう。

STEP
③ペルソナストーリーを考える

最後に、属性情報をもとにした”ストーリー”を考えます。

ストーリーといっても、②で組み合わせづらかった属性情報を文章化したものと思ってください。

完成イメージは下記のようになります。

ペルソナの完成イメージ
ペルソナの完成イメージ
RyS

こちらの東堂さんは、本サイトのペルソナです。会社(黄陽)についても別途作成しています。

ペルソナの活用事例

ペルソナの活用事例について、下記でご紹介しています。非常に参考になる事例ですので、ぜひチェックしてみてください。

ペルソナの活用事例①|学習を一人ひとりに最適化するAI先生『atama+』

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ペルソナを文字通り”見える化”するほど具体化し、スタートアップ企業としての見事な戦い方で事業成長を果たした、atama plus株式会社の事例です。

社内会議などでも”ユーザー”という言葉は使われず、ペルソナの名前で「〇〇君にとって必要な機能か」「こうすれば〇〇君は熱狂するか」と会話がされるなど、徹底して活用されています。

ペルソナの活用事例②|アレルギー対応パン『tonton』

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石川県でおいしいパン屋を開くもなかなか売れず、ただとあるお客さま(のちのペルソナとなる女の子)のお声をきっかけに、全国から注文やうれしいお声が殺到するようになったパン屋さん『tonton』です。

その女の子が喜ぶのはどんなパンだろうと、様々なパンを考えてラインナップを広げ、気づけば全国から注目が集まるパン屋さんになりました。

ペルソナのポイント

最後に、ペルソナの作り方や活用時のポイントをご紹介します。

実在しそうかを念入りに確認する

繰り返しになりますが、実際に存在しそうか、無理のあるペルソナが出来上がっていないか、念入りに確認するようにしましょう。

例えば、属性情報が下記のようなものだった場合、何か感じますでしょうか?

  • 性別・・・女性
  • 年齢・・・33歳
  • 家族構成・・・夫、自分、子2人(3歳と1歳)の4人家族
  • 世帯年収・・・800万円
  • 趣味・・・料理、洋服集め、ウィンドウショッピング、カフェ巡り、映画鑑賞
  • 興味関心・・・美容感度が高く、雑誌で気になる化粧品があれば購入している。
  • 悩み・・・子どもの進学や親の介護、自分たちの老後など、将来への漠然とした不安。

いかがでしょう、ぱっと見ありそうなプロフィールですよね。

しかしよくよく考えてみると、こどもが元気いっぱいの年齢で大変な子育てをしているはずのペルソナの女性が、ウィンドウショッピングやカフェ巡りを趣味として楽しむ時間があるのか、少々疑問です(※子育て悩みの口コミを調べる限りは難しそうです)。

ほか、世帯年収を一般的なものと考えたとしても(この女性が働いているのかどうかも明確にしたいですね)、将来への不安がある中で洋服集めや化粧品の購入など、出費度合いが気になります。

もちろん、パートナーが主夫やイクメンで自由時間が多くあったり、お財布事情に寛容だったりで実在するかもしれません。ただ、かなりのレアケースと感じるため、そのようなペルソナを中心に事業戦略を考えると、市場から共感を得られる商品(サービス)やコミュニケーションにならないのではと思います。

ぱっと見はあり得そうな属性情報でも、本当にそうか、完成後に見直すようにしましょう。

関係者の共通認識にする

ペルソナは、作って終わりではなく、活用しなければ意味がありません。それも、チームで深く理解し、共通認識化する必要があります。

先ほどご紹介した『atama+』の事例を見て頂ければわかるかと思いますが、徹底して共通言語化して活用すれば、非常に大きな効果を発揮してくれます。

漠然とした理解にとどめず、メンバー全員が語れるぐらいになるまで共通認識化するようにしましょう。

定期的に”メンテナンス”する

ペルソナは頻繁に変えるべきものではありませんが、かといってずっとそのまま、というのもよくありません。

例えば、新型コロナウイルスなどの外部環境の変化で、5年前とは違う生活をしている方も少なくないでしょう。

年に一度を目安に、特に事業責任者の方はブランド全体の”健康診断”を行う意味でも、ペルソナはいまのままで問題ないか、更新すべきなのか等、チェックするようにしましょう。

そしてもし変更点があれば、環境分析なども見直すべきかどうか、あわせて検討するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

ブランディングやマーケティングの書籍を読むと、共通してペルソナの重要性について語られているかと思います。

しかし、私の経験上、しっかり活用できているという方は意外と少ないように思います。

あまり活用できていないという方は、これを機にぜひ作成して活用してみてくださいね。

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