ブランディングとマーケティングの違いは?現役ブランドマネージャー兼マーケターがわかりやすく解説

ロジブラ|アイキャッチ|ブランディングとマーケティングの違い

ブランディングとマーケティングって何が違うの?

どっちも抽象的に感じて、よくわからなくて…

この記事を開いたあなたは、このようなお悩みを抱えているのではないでしょうか。

そこで今回、ブランドマネージャー兼マーケター歴6年目の私から、ブランディングとマーケティングの違いと、それぞれの定義についてお話します。

ロジブラ運営者
<プロフィール>

RyS ("リス"と読みます)

〇ブランドマネージャー1級資格取得
〇一般財団法人ブランドマネージャー認定協会公式アンバサダー
〇toB,toC問わず、中小企業を中心にブランディング支援活動中
目次

ブランディングとマーケティングの違い(結論ver)

結論からお伝えすると、ブランディングは「企業側の“こう思われたい”と、消費者側の”こう思っている”を、一致させる活動」で、マーケティングは「売れる仕組みづくり」、と、そもそもの定義が違います。

どういうこと?

順に詳細をお話していきますね。

ブランディングとは?

まずはブランディングです。

ブランドマネージャー認定協会では、ブランディングを下記のように定めています。

ブランド・アイデンティティとブランド・イメージを一致させる活動のこと。

(出典元:ブランドマネージャー認定協会 公式HP|https://www.brand-mgr.org/knowledge/word/

説明が専門用語で、これも抽象的に感じますね笑

それぞれ解説します。

ブランドアイデンティティというのは、自社の独自性を端的に表した言葉のことです。

もう少しかみ砕くと「〇〇といえば、△△(自社)」、もっというと「私たちは〇〇だ!〇〇と思われたい!」の、それぞれの〇〇にあたる部分がブランドアイデンティティになります。

具体例として、下記をご紹介します。

  • 前向きな楽しい気分にスイッチする炭酸飲料・・・コカ・コーラ
  • 第二の我が家・・・リッツカールトン
  • サードプレイス・・・スターバックス

ブランドアイデンティティは、一般的に社外に出るものではないため、上記はあくまで参考としてご留意ください。

理解できましたでしょうか?次に、ブランドイメージです。

ブランドイメージというのは、消費者や顧客が商品・サービス(ブランド)に対して抱く印象のことです。

先ほどご紹介したコカ・コーラを例にした場合、どのような印象を持つでしょうか?

私の場合、「シュワシュワ」「刺激」「ハッピー」「糖質過多(不健康)」という印象を持っているため、つまりこれがブランドイメージになります。

それでは、最初のブランディングの定義に戻りましょう。

ブランディングとは、”ブランドアイデンティティとブランドイメージを一致させる活動”でしたね。

つまり、別の言い方をすれば、“私たち(企業側)はこう思われたいと、消費者の実際はこう思っている、その印象を一致させる活動”、これがブランディングです。

RyS

余談ですが、コカ・コーラゼロが開発されたのは、私のように不健康な印象をもつ消費者に向けた、ブランディングの一環とも考えられますね。

もっと知りたいという方は、下記記事をご覧ください。

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マーケティングとは?

次に、マーケティングについてです。

マーケティングは、様々な権威団体や権威者が少しずつ違った定義で発信していますので、いくつかご紹介します。

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

(出典元:公益社団法人日本マーケティング協会 公式HP|https://www.jma2-jp.org/jma/aboutjma/jmaorganization

Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.

(マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナー、そして社会全体にとって価値のある製品を作成、伝達、提供、交換するための活動、一連の機関、およびプロセスです。)

(出典元:American Marketing Association 公式HP|https://www.ama.org/the-definition-of-marketing-what-is-marketing/

ニーズに応えて利益を上げること。

(出典元:フィリップ・コトラー・ケビン・ケラー.”コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント” 2008年 ピアソン・エデュケーション P.6)

「マーケティング」の目的は、「セールス」を不要にしてしまうことだ。「マーケティング」の狙いは、顧客をよく知って理解し、商品が顧客に「はまり」、自然に「売れてしまう」ようにすることである。

(出典元:ピーター・ドラッカー.”マネジメント(上)”1974年 ダイヤモンド社 P.100)

なんとなくわかったような、わからないような…

「市場ニーズの理解」「売れる」あたりがキーワードになりそうですね。そして、これらをうまく凝縮してわかりやすく表現している定義をご紹介します。

マーケティングとは、一言でいうと「売れる仕組みを作ること」です。他にも「顧客に価値を伝えること」「顧客から望む行動を引きだすこと」など、マーケティングに携わる多くの実務者が、さまざまな定義をしています。その中で最も大切な共通点は、マーケティングの中心にいるのは顧客であり、顧客のニーズに応え、自然と顧客が引き付けられるような仕組みを作ることです。

(出典元:グロービズ経営大学院 公式HP|https://mba.globis.ac.jp/knowledge/detail-21445.html

「売れる仕組みを作ること」か、なるほど!

私は現在、個人事業主としてtoCやtoB問わずブランディングやマーケティングの支援をしていますが、マーケティングの定義はこの「売れる仕組みづくり」、これがいちばんしっくり来ていて、どのような場面でも違和感なく通じています。

RyS

広告運用以外にも、HP制作やSEO対策、SNS、メルマガなど、すべてが「売れる仕組みづくり」とつながっていますね。

もちろん、ほかの定義の方がしっくりくる方はそれで理解されるのがよいと思います。

ただ、どれが正解かわからないという方は、まずは「売れる仕組みづくり」で認識されることをオススメします。

ブランディングとマーケティングの違い(詳細ver)

ここまでの話をまとめましょう。

ブランディングは「企業側の“こう思われたい”と、消費者側の”こう思っている”を、一致させ続ける活動」で、マーケティングは「売れる仕組みづくり」のことです。

定義の違いはわかったけど、活用方法は何が違うの?

ということで、活用時の違いを理解するうえでいくつかポイントをご紹介します。

マーケティングはブランディングの過程にある

繰り返しになりますが、マーケティングは「売れる仕組みづくり」です。

では、売れる仕組みを作るには、具体的には何をすればよいのでしょうか?

それは、乱暴に言えば”誰に””何を””どうやって”届けるか、この3つを明確にすることです。それぞれ深堀りすればするほど解像度が高まり、売れる仕組みづくりの成功率を高めることができます。

一方、ブランディングは大きく下記のような流れで行います。

  1. 企業や事業の背景・目的整理
  2. 環境分析
  3. ターゲット選定(※マーケティングの”誰に”)
  4. ブランドアイデンティティの定義(※マーケティングの”何を”)
  5. ブランド体験(※マーケティングの”どうやって”)

マーケティングの考えるポイントが含まれてる!

RyS

ブランディングの流れについて、詳しく知りたいという方は下記記事をご覧ください。

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また環境分析では、PEST分析や3C分析、クロスSWOT分析などを行います。

私の経験上、リーダークラスのマーケターであれば環境分析も担当するかと思いますが、経営や事業戦略にも絡んでくるため、このあたりがマーケティングの始発点になるかと思います。

いずれにしても、ブランディングは企業や事業の背景・目的整理から行い、市場戦略を定めたうえで環境分析を行っていくため、マーケティングで整理すべきポイントを包括しているといえます。

ブランディングとマーケティングに優劣はない

上記でブランディングの過程にマーケティングがあるというお話をしましたが、気を付けておきたいポイントがあります。

それは、先ほどのお話はあくまで順番の話で、ブランディングがマーケティングの上位互換、というわけではありません。もちろん下位互換でもありません。

ブランディングは、企業の背景などからマーケティングで考えるべきポイントなどを網羅的に整理しますが、予算策定や獲得効率のような話まではあまり深堀りしません。一方、マーケティングでは費用対効果は重要で、日々ABテストなどを行いながら売れる仕組みを作っていますよね。

つまり、ブランディングは上流から下流までを網羅的に整理する役割があり、マーケティングはその中の一部を深く整理していく役割、といえます。

どちらかが役割をおろそかにすれば事業はうまくいかなくなってしまうため、どちらかに優劣がある、とは考えないようにご注意ください。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、ブランディングとマーケティングの違いについて解説しました。

馴染みのない方にとっては、はじめはブランディングもマーケティングも抽象的に思えてしまい、難しいと考えてしまうかもしれません。

そういった方は、まずはブランディングは「企業側の“こう思われたい”と、消費者側の”こう思っている”を、一致させ続ける活動」で、マーケティングは「売れる仕組みづくり」、これだけでも覚えて頂ければと思います。

なにかご不明点等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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