クロスSWOT分析とは?意味や使い方、コツをフレームワークとともに解説

ロジブラ|アイキャッチ|クロスSWOT分析とは

環境分析を行ったり、現状を整理したりするうえで非常に役立つクロスSWOT分析。

ブランディングにおいても、PEST分析や3C分析を補ったり、別の視点を与えてくれるフレームワークとして非常に重宝します。

そこで今日は、そんなクロスSWOT分析についてご紹介します。

ロジブラ運営者
<プロフィール>

RyS ("リス"と読みます)

〇ブランドマネージャー1級資格取得
〇一般財団法人ブランドマネージャー認定協会公式アンバサダー
〇toB,toC問わず、中小企業を中心にブランディング支援活動中
目次

クロスSWOT分析とは

クロスSWOT分析とは、SWOT分析をより戦略策定に役立てるために作られた、内部環境(強みと弱み)と外部環境(機会と脅威)を縦横に並べて掛け合わせたフレームワークのことです。

図を見た方が早いと思いますので、下図をご覧ください。

SWOT分析
SWOT分析
クロスSWOT分析
クロスSWOT分析

上がSWOT分析で、下がクロスSWOT分析のフレームワークです。

違いについて、わかりますでしょうか?

SWOT分析で出した4象限が、クロスSWOT分析では行列に配置され、新たに別の4象限がうまれていますね。

それぞれの象限の考え方は、下記の通りです。

①積極攻勢(強み×機会)

外部に「機会」があり、内部に「強み」がある、もっとも注力すべき領域です。

RyS

自分の強みを待っている市場があるわけなので、注力しない手はないですよね。

この領域を市場機会として、自社が戦うべき領域をより明確にすることで事業の成功率を高めることが可能です。

②弱点強化(弱み×機会)

外部に「機会」があるものの、内部では「弱み」となる領域です。

この領域の項目を克服することで、新たな市場機会が生まれる可能性があります。

①積極攻勢より優先順位は劣りますが、これを機に改善できないか検討してみるのもよいでしょう。

③差別化(強み×脅威)

外部に「脅威」が存在するものの、内部では「強み」を持っている領域です。

競合と強みが重なっていたり、業界的に下降トレンドの場合がここに当てはまります。

強みを違う形で活かし差別化を図ることで、勝負する”手札”を増やすことができます。

④防衛/撤退(弱み×脅威)

外部には「脅威」が存在し、内部も「弱み」として得意ではない領域です。

この領域で勝負をしても実りにならない可能性が高いため、現状維持、あるいは撤退するなど、注力しないという選択が必要なエリアです。

このように、なにに注力するかorしないかを見やすく整理してくれるフレームワーク、これがクロスSWOT分析です。

クロスSWOT分析の重要性

次に、クロスSWOT分析の重要性についてご紹介します。

クロスSWOT分析はPEST分析や3C分析と同様、現状を整理するための環境分析の手法の一つとして非常に有効で重要です。

RyS

とあるコンサル会社では、最初に(クロス)SWOT分析を用いてクライアントと現状確認を行っていると聞いたことがあります。

事業戦略について話をするごとに自社の強みや弱み、市場機会について議論していると、思いつきのアイデアや齟齬の多い進行になりかねません。

そんなときのために、クロスSWOT分析を使って見える化することで、わかりやすく事業戦略について議論することが可能になります。

クロスSWOT分析の使い方

実際、どうやって使えばいいの?

ということで、次はクロスSWOT分析の使い方をご紹介します。改めてフレームワークを掲載します。

クロスSWOT分析(記号付き)
クロスSWOT分析

記入は下記の流れで行います。

STEP
内部環境(AとB)を埋める

内部環境の強み(A)と弱み(B)を記載します。
上記フレームだとスペースが足りないと思いますので、別でメモなどにたくさん書き上げたのち、整理したものをスペースに記載するのがおすすめです。

STEP
外部環境(CとD)を埋める

外部環境の機会(C)と脅威(D)を記載します。
業界の動向や競合の特徴などが入ってきます。

こちらも別のメモなどでアイデア出しをしてから、整理したものを記載すると後々見やすくなります。

STEP
各象限(①~④)を埋める

①~④の記入は、A~Dで出た様々な項目を掛けあわせて考えてみてください。

項目の数が多いと少し大変かもしれませんが、その分網羅性が高まるのと、思いもよらなかったアイデアが生まれやすくなります。

クロスSWOT分析のコツ

使い方とあわせて、いくつかコツをお伝えします。

他の環境分析を終わらせておく

PEST分析や3C分析を終わらせておくことで、そこから重要な情報を引用しながら整理することができます。

例えば、外部環境はPEST分析や3C分析の競合の情報、内部環境は3C分析の自社の情報が活用できます。

RyS

ブランディングのステップでも、PEST分析→3C分析→クロスSWOT分析の順で整理していきます。

少し遠回りに感じるかもしれませんが、完了させたほかの環境分析を活用することで、事業戦略に一貫性が生まれますのでおすすめです。

情報の信頼性を確認する

情報はないよりあるに越したことはありませんが、正確でなければ意味はありません。

まずは埋めて完成させみた!

という方は、情報が正しいものかどうか、思いこみの知識のみで記載していないか、改めて見直すようにしましょう。

AIに頼る

他に当てはまりそうな項目はないかな、、と考えていると、時間が非常にかかってしまいます。

そこで、自分で考えられる範囲は出し切ったと思ったら、流行りのAIにアイデア出しを依頼してみましょう。

RyS

ChatGPTやNotion AIなど、無料または安価で利用できるサービスが急速に増えています。

内部環境は難しいかもしれませんが、外部環境であればすぐにたくさんのヒントを出してくれますので、効率化に非常におすすめです。

クロスSWOT分析を使った事例

下記、工場夜景の事例で要所のみですがクロスSWOT分析を使って解説していますので、よろしければご覧ください。

あわせて読みたい
ブランディング事例解説02|公害の象徴から夜の観光スポットになった『工場夜景』 第2回目のブランディング事例は、「工場夜景」についてです。 工場は、一時は公害の象徴と言われ、印象は最悪でした。しかし、いまや工場夜景として夜の人気の観光スポ...

まとめ

いかがでしたか?

改めてになりますが、クロスSWOT分析は注力するものとしないものをわかりやすく整理してくれるフレームワークです。

市場機会を見つけたい方、現状を整理したいという方はぜひ使ってみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次